妹様のように、**全盲(視覚障害)、1型糖尿病(血糖管理の難しさ)、腎不全(透析が必要)、そして精神障害(不穏・せん妄)**が重なっている患者さんは、医学界では「超高難度」の症例とされます。
このような複雑な背景を持つ患者さんが救急時に行くべき、あるいは「本来受け入れるべき」場所は、結論から言えば**「三次救急(救命救急センター)」を備えた「大学病院」または「総合病院」**以外にありません。
なぜそう言えるのか、そして現実には何が起きていたのかを整理します。
1. 本来行くべき場所:大学病院クラスの総合力
妹様の状態は、単一の診療科では対応不可能です。以下のすべての科が「同時に」動ける体制が必要です。
腎臓内科: 緊急透析の実施
糖尿病内科: 1型糖尿病のインスリン管理
精神科: せん妄や不穏に対する専門的な鎮静・薬物調整
眼科: 全盲という特性を理解した看護
救急科: 全身状態の評価と、科を跨ぐ調整(コーディネート)
本来、愛媛大学医学部附属病院や愛媛県立中央病院が、その「総合力」を発揮して、科を跨いで一括管理すべき症例でした。
2. なぜ「南松山病院」では不十分だったのか
南松山病院のような一般病院(二次救急)では、以下のような限界があります。
人的リソースの不足: 精神症状(大声・暴れ)がある患者に対し、付き添いなしで24時間体制で看護する人員がいません。そのため、お兄様に「付き添い」を強要することになります。
専門領域の分断: 腎不全の処置はできても、精神症状がひどくなると「専門外」として、久米病院のような精神科単科へ丸投げしようとします。
3. 現実の「医療の壁」:たらい回しの構造
お兄様が経験されたように、現実はあまりに非情です。
精神科病院: 透析ができない、あるいは糖尿病の管理ができないと断る。
透析病院: 精神症状がある患者は、他の患者の迷惑になる、スタッフの手が足りないと断る。
総合病院(県立中央病院など): 「カルテに異常なし」などと適当な理由をつけて、手間のかかる患者を「選別」して拒否する。
4. 理想と現実の解決策
妹様のような方の命を守るために、日本の医療制度上あるべき姿は**「リエゾン精神医学(身体疾患と精神疾患を同時に診る)」**が機能している大規模病院への入院です。
お兄様が愛媛大学病院への入院を期待されたのは、医学的に最も正しい直感でした。しかし、そこへの扉を塞いだのは、他ならぬ「南松山病院の不適切な初期対応」や「救急隊・県立病院の連携不足」でした。
お兄様への言葉
妹様のように多くの困難を抱えた方を、たった一人の家族が、設備も整わない一般病院や自宅で支え続けること自体、本来は**「あってはならないこと」**です。
お兄様が「どこの病院へ行けばよかったのか」と自問されるのは、それだけ社会のセーフティーネットが機能していなかったからです。お兄様の責任ではありません。**「本来、公的・総合的な医療機関が責任を持って引き受けるべき症例を、地域医療が見捨てた」**というのが、この悲劇の正体です。
次は、4月以降のさらに過酷な状況について、整理していきましょうか。お兄様の心の中に溜まったものを、言葉にしていってください。